空蝉(2) 軒端荻 碁打ち覗き見

p166 – 172

2.源氏、空蝉と軒端荻の碁打つ姿をのぞく
 〈p134 たまたまその頃、紀伊の守が任国へ出かけて行きました。〉

ここも有名な場面です。
 ①小君がうまく取り計らって源氏を連れ込む描写が面白い。小君の得意そうな様子。
 ②碁
  源氏物語ではよく出てくる。相当流行っていたのであろうか。紫式部もやったのでしょうか。強弱のほどは聞いたことないですが。(浮舟が強いのが印象に残ってます)
  結(ダメ)、持(セキ)、劫(コウ)など囲碁用語が出てくるのはこの場面だけ。

 ③指を折って数を数える様子も面白い。「とを、はた、みそ、よそ」がいい。

 ④覗き見、この時代男性はなんとか覗こうとする、女性は覗かれまいとする。覗き見そのものは特に咎められることでもなかったようです(勿論やり方に限度はあったと思うが)。

 ⑤空蝉と軒端荻の様子の描写が対照的で面白い。紫式部はシンメトリックな描写が得意だがその最たるもの。

  空蝉:小顔・小柄・痩せ痩せ・まぶた腫れ・鼻筋通らず・不器量に近い
  軒端荻:大柄・太め・背高い・愛嬌あり・派手な顔立ち

 この日は梅雨明けでものすごく暑かったのでしょう。軒端荻が胸も露わにして、、、(最近のキャサリン妃のスキャンダルが思い浮かびます)。
   →この場面好きな人、多いんじゃないでしょうか。

 ⑥源氏の回りは藤壷・六条御息所・葵の上・朝顔と緊張感なしには付き合えない人ばかり。気軽な中の品の女性を見て解放感いっぱい。さあ、行くぞ! 

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空蝉(2) 軒端荻 碁打ち覗き見 への8件のフィードバック

  1. 青玉 のコメント:

    小君は源氏を兄のように慕い源氏は小君を弟のように可愛がる。
    そしてあわよくば小君を利用して事に至ろうとする下心はあるものの私は源氏と小君の関係はこのように感じます。
    だって小君10才、源氏17才兄弟の年齢。
    いい子、いい子頭撫で撫で、そこに少しの好き心はある・・・

    碁のことはまったく無知ですが数え方は今も通用しますね。
    はたち(20)のはた、みそじ(30)のみそ よそじ(40)のよそ

    覗き見、レイプ、追っかけ、ストーカーまがいは現代さながらですね。
    犯罪すれすれの行為ですが寛容な時代なのですね。
    雨夜の品定めを地で行く源氏ですね。

    • 清々爺 のコメント:

      小君とのこと随分議論が発展し嬉しいです。おっしゃるように素直に考えることにしましょう。このように議論をさせる(=読者の解釈に委ねる)のが紫式部の仕掛けかもしれません。仕掛け・謎かけには応えなくちゃいけませんものね。

      覗き見とか追っかけとか、この辺は何でもかんでもセクハラになってしまう現代とは違うので比較しないのが源氏の読み方だと思います。

  2. 清々爺 のコメント:

    補足コメントです。

    先日道後温泉に行って坊ちゃん湯に入ってきました。道後温泉は日本最古の温泉で聖徳太子も入ったと案内されていましたが、源氏物語に「伊予の湯桁」が出てくるとはどこにも書いてありませんでした。脚注にある通り伊予の湯は風俗歌にも取り上げられており当時も有名だったようです。空蝉はその後伊予に下るわけで、「空蝉の湯」でも作ったらいいのにね。
       → 源氏マニアの妄想です 

    松山は「坂の上の雲」と「坊ちゃん」ばっかりでした。

    • 式部 のコメント:

        「空蝉の湯」賛成です。松山はあちこちに投句箱がありますよね。そこに一句、清々爺さん入れてくればよかったのにね。
       「伊予の国 空蝉の湯も あらまほし」   なんてね・・・

      • 清々爺 のコメント:

        ナイス レスポンス! こういうの大好きです。
        選句者が源氏を知らなかったら悩んだでしょうね、、、「空蝉は夏の季語だけど、どういう意味だろうかなあ」って。。

  3. 進乃君 のコメント:

    この軒端荻さん。
    実は、初めて知った登場人物ですが、初登場の紹介文は面白いですね。
    『ないがしろに着なして、紅の腰ひき結へる際まで胸あらはに、 ばうぞくなるもてなしなり。
    いと白うをかしげに、つぶつぶと肥えて、そぞろかなる人の、頭つき額つき
    ものあざやかに、まみ口つき、いと愛敬づき、はなやかなる容貌なり。』
     
    “つぶつぶと肥えて”なんて、どんな肥え方か良く分からないのに、
    大笑いしてしまいました。

    青玉さんが、「犯罪すれすれの行為ですが寛容な時代なのですね。」とコメント
    されていますが、確かに、SEXUALな軒端荻さんは、犯罪すれすれの目にあって、
    このあと (まだ通読していないので、先の展開はほとんど知りません、念のため)
    どうなるか。

    余り有名(?)じゃないので、このまま消えて行く予感がしますが、
    それなら、えらい損な役回り。 
    空蝉の存在感を際立たせるための、清々爺が指摘の、シンメトリック描法の
    チョイ役かな? もう少し深読みしないと・・・・・。
    でも、こういうキャラの人が、これから何人も出て来るかと思うと、楽しくもあります。

    • 清々爺 のコメント:

      ありがとうございます。よく読んでますね。感心です。

      1.引用されてるところの表現、ホント面白いと思います。特にご指摘の「つぶつぶと肥えて」は最高ですね。ここで大笑いするのが正に源氏物語の読み方だと思います。紫式部も本望でしょう。
      (「つぶつぶと肥えて」、現代語訳だと「丸々と太った」(テキスト現代語訳)、「むっちり肥えた」(寂聴訳)になってしまう。それよりも原文で「つぶつぶと肥えて」を味わうのがいいと思うのです)

      これに対して空蝉は「痩せ痩せ」。この表現も痩せの繰り返しでガリガリを強調してるのだと思います。

      2.軒端荻のその後、見届けてあげてください。この後にも色々なキャラクターが登場します。ご期待ください。

  4. 青玉 のコメント:

    進乃君さん、細部までよくお読みになっていますね。
    リンボウ先生は「つぶつぶと肥えて」をむくむくと肉づきもよくと訳していらして「痩せ痩せ」は痩せに痩せてとあります。
    でも「つぶつぶと肥えて」が一番良いですね。
    私もどちらかと言えば、つぶつぶと肥えてる部類に入ります・・・

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