夕顔(1) 夕顔の冒頭

「夕顔」うき夜半の悪夢と共になつかしきゆめもあとなく消えにけるかな
                          (与謝野晶子)

[式部さんの朗読は夕顔全巻を一気に公開しました。是非参考にしてください]

空蝉とのことが中途半端に切れて新しい話が始まる。六条御息所が登場する。
帚木3帖の最後でこの巻で中の品の女性探訪編が終わり紫のゆかりのメインストーリーが始まるという構成です。

空蝉に逃げられ初めての恋の挫折を体験した源氏。藤壷への秘めたる想いは果たしようもなく、六条へは行ってみてもどうも気が重くなるばかり。左大臣邸に帰っても妻(葵の上)は相変わらず冷たく無愛想。。。「一体オレはどこへ行きゃあいいんだ」ってところからこの巻は始まるのです。

そこへ登場するのが夕顔。臣下の惟光も初登場で大活躍します。なにがしの院でのクライマックスに向けて盛り上がっていく語り口も軽快で古来短編小説としても秀逸だと評価されている巻です。

p190 -193
1.源氏、乳母を見舞い、女から扇を贈られる
 〈寂聴訳巻一 p154 源氏の君が六条のあたりに住む恋人のところに、〉

 ①「六条わたりの御忍び歩きのころ、」
 六条御息所に通う途中のこと。六条御息所との馴れ初めは書かれていないがこのころはもう熱もさめていたのだろうか。でもこの後激しい場面が出てくるのでそうでもなさそうだし、、。ちょっと不思議。

  源氏と六条御息所との馴れ初めについては源氏物語研究者愛好者の本居宣長が「手枕」という短編を創作している。ネットの現代語訳でサラっと読みましたが、なるほどなって感じでした。(夫東宮を亡くした御息所の所へ桐壷帝の指示もあって見舞いに行く、そうこうして源氏と御息所は通じることになるというもの)

 ②五条夕顔の宿、位置チェック。六条御息所邸への途中、少し離れている。

 ③惟光、登場。源氏の乳母子(乳兄弟)。同年齢であろうか。今後お傍去らずで源氏の恋の冒険の水先人を務める重要人物。

 ④「をちかた人にもの申す」 古今集からの引用
  家来衆も教養がないとついていけない。

   →どこかで夕顔の花をみつけたら是非「をちかた人にもの申す」と独り言を言ってみましょう。アホかと思われるだけでしょうが、光源氏になった気分を味わえるのではないでしょうか。  

 ⑤雨夜の品定めで中の品の女の知識を得、空蝉で実行し始めたが今一つスッキリしない源氏。五条の下町で女の影がちらつく宿を見て興味津津。

 ⑥女童が白い扇を渡し、それに夕顔を乗せて源氏に差し出すところ何とも優雅ではなかろうか。

 この段、文章も平易でよく理解できる。この辺に来て「おっ、これならボクにも源氏物語読めるかな」と思ったものです。 
    

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夕顔(1) 夕顔の冒頭 への3件のフィードバック

  1. 青玉 のコメント:

    式部さん、いつも有難う!!

    冒頭の部分で六条御息所邸へのお忍びを示唆しているわけですね。
    もうすでに進行中と言うことですね。
    馴れ染めを省略し、読者の想像にゆだねると言う書き方はなかなか良いですね。
    又、帚木で少し触れられた、頭中ゆかりの夕顔や新たに惟光が登場し話はどのように展開されていくのでしょう。

    御所から二条、~五条、六条へと距離は遠のくと考えてよいのでしょうか

    白き花ぞ、おのれひとり笑みの眉ひらけたる」いいですね~
    この白き夕顔を女童が香を焚きしめた白扇に載せて差し上げる・・・
    なんて気が利いていて雅びな仕草でしょう、感心しました。
    ここの部分一番気に入りました。

    雑記
    今日、ASCの授業の一環で諏訪、茅野、八ヶ岳周辺に行きました。
    中央道から見える中央、南アルプスの山々、風景は全山紅葉で素晴らしかったです。
    園原インター近くでガイド嬢が源氏物語の帚木の話をしたのには驚きました。
    又八ヶ岳付近では古事記神話にまつわるコノハナサクヤ姫とイワナガ姫の民話なども話し、若いのによく勉強してるなと感心しました。
    そこで気付いたのですが園原インターは上り車線の降り口はありますが下りは降りられません。
    もしいつか行かれる時はお気をつけください。一つ前の飯田山本インターが最寄りです。

    • 式部 のコメント:

      園原、機会があれば行ってみたいですね。よく勉強しているガイド嬢はいいですね。 その日のお客さまにあわせた話題を提供しているのでしょうか。
       単に地名だけ知っているのと、その背景や歴史、文学上の関わりなども知っているのとでは雲泥の差がありますものね。 いろいろ教えていただいてありがとうございます。

    • 清々爺 のコメント:

      お忙しい中コメントありがとうございます。

      1.平安京・源氏物語の舞台を類推表示した格好の地図があります。是非手元におかれることをお勧めします。内裏も現在の御所の位置とは違うしその大きさなどもよく分かります。夕顔の宿・六条御息所邸・なにがし院・東山・鳥辺野など夕顔の巻の舞台、位置関係もよく分かりますよ。
       
         → 7月11日付け 「源氏物語の舞台」 参照してください。

      2.「白き花ぞ~~」 脚注を見ると白がこの巻の基調的色彩・清楚だが空しくはかない印象を与えるとありますね。
        それに夕顔の宿の白い簾は「伊予簾」とのこと。伊予は湯桁だけかと思ってましたが簾もあるのですね。
        (なかなか脚注まではつぶさに読めないのですが、ふと読んでみると新しい発見があるのです)
         
      3.園原の情報ありがとうございます。ガイドさん大したものですね。きっとカルチャーセンターのうるさいおばさま方ということでバス会社も熟練のガイドさんを配置したのでしょうかね。。。失礼しました。

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