夕顔(8・9) 夕顔の宿へ & 夕顔に耽溺

p212 – 214
8.惟光、夕顔の宿を偵察、源氏を手引する
 〈p172 それはそうと、あの惟光がお引き受けした覗き見の一件は、〉

 ①まことや 話題を転じる常套句、よく出てくる。
  律儀な恋の手引き者、惟光の報告。いかにも源氏が乗り出すような口調で語るのが面白い。
  
 ②夕顔が頭中ゆかりの女性であることが暗示される。読者は身を乗り出したことであろう。

 ③このほどのことくだくだしければ、例のもらしつ これも常套句

9.源氏、名も知れぬ夕顔の女に耽溺する
 〈p175 さて、その女はどこの誰と、〉

 ①身をやつして訪問する源氏。夕顔の方も身元を調べようとするが分からせない。
   → 三輪山伝説が下敷きにあると言われているがどうだろうか。

 ②前述では「乳母の見舞いに行くついでに」などと言ってたのに本気で行くとなると乳母にバレては困る。ごく少人数で隠れていく、、源氏はこの自らのお忍び姿にゾクゾクしたのであろうか。

 ③今朝のほど昼間の隔てもおぼつかなくなど思ひわづらはれたまへば
  夜が待てない、、、すごい表現

 ④人のけはひ、いとあさましくやはらかにおほどきて、もの深く重き方はおくれて、ひたぶるに若びたるものから世をまだ知らぬにもあらず~~~

 この夕顔の叙述がいい。素直でおおらかしっかりしておらず幼い感じ、、、一昔前の男性好感度ナンバーワン女性でありました。

 ⑤顔をもほの見せたまはず
  源氏は覆面で顔を隠している。閨中でも顔だけは隠していたようで、ある解説書にこれは一種のコスプレだと真面目な調子で書いてあったのだがいかがなものであろうか。
  互いに素性を隠し男は顔も見せない、夕顔の宿がある種の娼婦の館であったとも謂われる所以である。

 ⑥互いにさぐり合う源氏と夕顔、このジャブのような駆け引きが面白い。
  ひたぶるに従ふ心はいとあはれげなる人 → 夕顔の好かれるところだろう   

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夕顔(8・9) 夕顔の宿へ & 夕顔に耽溺 への2件のフィードバック

  1. 青玉 のコメント:

    8の冒頭、「まことや」と「このほどのことくだくだしければ・・・の使い方面白いですね。
    何だか実際に使ってみたくなりますよ。
    惟光、源氏にかこつけてちゃっかりと自身も楽しんでいるようですね。

    お互いに素性を隠し、謎めいた恋は更に燃え上がるのでしょう。
    頭中と常夏を思わせる所も読者にとっては興味をそそられます。

    夕顔、ひとのけはひ、いとあさましくやわらかにおほどきて・・・源氏が耽溺するのも無理もないですね。
    源氏の覆面姿、昔の時代劇を想像してカッコいいです。

    • 清々爺 のコメント:

      頭中の正妻からの脅しで身を隠すためこの宿に籠っている夕顔。それにしては頭中が前を通ったりすると皆はしゃいでいるし、源氏が言い寄って行くと泊めることも厭わない(源氏と知った上ならまだしも)。どうも腑に落ちない感じがするのですが、、、。娼婦の館と片付けてしまえばそれまでですがね。

      まあ、もう少し行ってから夕顔談義をやりましょうかね。

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