末摘花(9・10・11) 源氏逡巡 後朝の文も夕方に

p142 – 148
9.源氏、二条院に帰り、頭中将と参内する
 〈p36 二条の院にお帰りになって、〉

 ①末摘花との不可思議な一夜を終え帰った源氏、さてどうしたものかと苦慮する。
 ②頭中が誘いに来てからかい宮中へ連れて行く(友達感覚の会話が楽しい)。
 ③朱雀院への行幸に備え公務が忙しい→公務のこともちょこちょこ出てくる。

10.源氏、後朝の文を夕刻に遣わす
 〈p38 常陸の宮の姫君には、せめて手紙だけでも〉

 ①きちんとした男女関係とするためには帰った直後に後朝の文を送り、三日間続けて通い三日夜の餅を食べてお祝いしなければならない。これが常識であってこれを破れば不実と非難された訳だが、源氏は後朝の文もようやく夕刻に届け、雨を口実に二日目は遠慮させてもらった。

   →全くのルール違反だが糾弾する女房もいない。大輔命婦も気をもむだけ。これじゃあどうしようもない。深窓の姫君たる末摘花の無知ぶりもさることながらお付きの女房たちがひどすぎる。

 ②段末 我はさりとも心長く見はててむ と源氏は見離さないよと考えてるのだが相手方には伝わっていない。 →読者はやきもきするってとこですかね。

11.行幸の準備に紛れて、源氏訪れを怠る
 〈p40 夜になって、左大臣が宮中を御退出なさるのに伴われて、〉

 ①朱雀院への行幸の準備の様子(次巻紅葉賀の巻への布石)

 ②大輔命婦がやってきて「お見限りはひどいじゃないですか、、、、」ってな風に源氏をそそのかす。二人の会話が面白い。

 ③この御いそぎのほど過ぐしてぞ、時々おはしける  
  この段末の一行は意味深。頻度はともかくけっこう末摘花邸を訪れ契りを交していたのです!姫君の応対ぶりは変わらなかったのでしょうかね。

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末摘花(9・10・11) 源氏逡巡 後朝の文も夕方に への2件のフィードバック

  1. 青玉 のコメント:

    若者らしい気の置けない会話がとても楽しそうですね。
    頭中が興味津々に探りを入れる所も面白い。

    命婦がやきもき心痛めているのに当の御本人、姫君が咎とも思ひわきたまはざりけり・・・とは何と言うことでしょう。
    いくら深窓の姫君とはいえ鈍感過ぎませんかしら?

    それでも結局、時々おはしける、とあるので全くお見限りでもなかったと言うことでしょうか。

    • 清々爺 のコメント:

      ありがとうございます。

      1.ホント源氏と頭中、源氏と大輔命婦との軽妙なやりとりが楽しいです。「紫のゆかり」のメインストーリーでは重苦しい会話が多く、こんな面白いやりとりは少ないと思います。少し脚色すればそのまま品のある喜劇になるのではないでしょうか。

         なほいとねぶたげなり
         隠いたまふこと多かり

       思わず笑えてきます。

      2.時々おはしける、、私もこの一文にはびっくりしました。
       時々ってどれくらいの頻度かは分かりませんが現代語の感覚ではけっこう頻繁にという感じですよね。勿論行く以上は夜をいっしょに過ごした訳でしょうしねぇ。窯変では「後味が悪い」とか「気味悪ささえ覚えて」とか言ってるようなのに不思議です。まあ怖いもの見たさみたいな気持ちだったのでしょうかね。

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