葵(28・29・30) 三日夜の餅

p96 – 107
28.源氏、三日夜の餅を紫の上に供する
 〈p217 その夜のことです。〉

 ①亥の子餅 = 大豆他7種の粉で作る餅、このような食べ物があったのだ。

 ②久々の惟光の登場。万事を弁えたまめな男である。

 ③三つが一つ 古来源氏物語の三大秘事の一つとされたらしい。
  脚注どおり、三分の一ということだろう。では他の二つの秘事は何なんだろう。

  【追記】
  源氏物語三大秘事とは以下の3つ (何れも言葉の意味の難しさ)
   1.「揚名介」=名ばかりの介ということ (夕顔3 ①p198)
   2.「三つが一つ」=三分の一 (葵28 ②p96)
   3.「宿直物の袋」=宿直用の夜具などを入れる袋 (賢木11 ②p138)

 ④今は一夜も隔てむことのわりなかるべきこと
  契った後、もう手放せないと思うほど愛おしさが増す。いいですねぇ。

 ⑤少納言にしてみればこれで正式に女君の一人に加えてもらえたということで安堵する。
  (でもこんな略式では正妻にはなり得ない。それが問題となっていく)

29.紫の上と新枕後の源氏の感懐
 〈p220 こうしたことのあった後は、源氏の君は〉

 ①二条院に帰った源氏、他の通い処への足は遠のく。 → 当然だろう。

 ②朧月夜のその後。源氏とのことがバレて入内はできず御くしげ殿になっている。
  朧月夜は源氏のことが忘れられない。右大臣は正妻葵の上が亡くなった今、朧月夜を源氏の正妻にしてもよいと思う。源氏嫌いの弘徽殿皇太后はあくまで入内を望む。

 ③六条御息所も正妻候補。でも源氏は気がすすまない。葵の上を呪い殺したと思えばなおさらである。あはれ、御息所!

 ④父兵部卿宮に知らせて結婚のこともはっきりさせようと思う。
   → 脚注通り事の順序は逆であろう。先ず連れてきたことを知らせ詫びて正式に妻にしたいと言わなければ、、。

30.源氏、参賀の後、左大臣家を訪れる
 〈p223 元日には例年のように、源氏の君はまず院に参上なさってから、〉

 ①年改まってG23年。元旦に桐壷院→内裏(朱雀帝)→春宮と回って左大臣邸へ。

 ②久しぶりの源氏の晴れやかな姿に左大臣&大宮の嬉しさと悲しみが交差する。
  若宮(夕霧)の存在が明るさを振る舞う。

かくて葵の巻は閉じられ賢木の巻に移ります。

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葵(28・29・30) 三日夜の餅 への3件のフィードバック

  1. 青玉 のコメント:

    惟光、機転が利くと言うか、こういう人のこと一を知り十を悟ると言うのでしょうね。
    亥の子餅の翌日は子の子餅、面白いですね。

    「夜さり」という言葉が時々出てきますが昔、祖父がよく使っていたのを思い出しました。
    明治生まれの人はこういう言葉の名残りがあったのでしょうね。

    今は一夜も隔てむことのわりなかるべきこと
    これで源氏のお遊びも少々慎まれるようならば結構なことです。
    その後朧月夜、御息所の事も控えておられますものね。
    新枕の後の紫の上、痛々しくも初々しくいじらしく可愛らしいです。
    源氏が片時も手放したくない気持ちがわかりますね。

    元旦の左大臣家、源氏の歓待ぶりが目に見えるようです。
    源氏の老夫婦へのいたわりも感じられます。
    哀しみの中にも若君へひとすじの光明を感じながらこの巻、特に感慨深いものがあります。

    ふたたび逢ふ日なき(無き、亡き)葵の上を偲んで

         物の怪の闇に惑えりうつし身は
               逢ふよしもなく葵逝きたり

    • 清々爺 のコメント:

      ありがとうございます。

      1.車争いから物の怪に憑りつかれた出産、直後の葵の上の死亡そして左大臣家での愁嘆・服喪の日々。およそ半年間源氏には辛い日々が続きストレスも溜まったことと思われます。そしてやっとマイホーム二条院にもどり益々愛くるしさの増した紫の上を見た源氏は如何にほっとしたことでしょうか。もう事の見境も順序も放り出して紫の上と新枕を交した。。。。翌朝の姫の困惑、源氏の嬉しさ、周りの人々の様子などよく描かれていると思います。

      2.源氏物語の三大秘事。ググってみました。何れも細かいところで三大秘事なんて大袈裟ですね。でもそういう注釈学の経緯を経て源氏物語が解釈されてきた訳で有難いと思わねばいけませんね。

          『源氏物語』の三箇(さんか)の大事(だいじ)とは何か

       上記をコピーして検索してください。出典は
         『源氏物語の謎』増淵勝一 著 – 国研ウェブ文庫 
           →他にも色々書かれており使えますよ。

       【追記】
         源氏物語三大秘事とは以下の3つ (何れも言葉の意味の難しさ)
         1.「揚名介」=名ばかりの介ということ (夕顔3 ①p198)
         2.「三つが一つ」=三分の一 (葵28 ②p96)
         3.「宿直物の袋」=宿直用の夜具などを入れる袋 (賢木11 ②p138)

      3.葵の和歌、バッチリです。式部さんとこの前会った時二人して感心してました。筆書きして残していかれればいいメモリアルになるのじゃないでしょうか。
       

      • 青玉 のコメント:

        有り難うございます、参考になりました。
        三大秘事って何だろうと思っていました。
        でも、これがどうして秘事なんでしょうね?

        他にも知りたかったことが簡潔に記されていて面白かったです。
        上手く利用すればこんなに便利なものってないですね。
        本当、有り難いです。

        和歌は後から詠むと色々手直したい部分があったりしてまだまだ推敲不足ですね。
        毛筆も未熟な段階でいずれ年月を経て或る程度自信がつけば先生に相談してみますね。
        お励まし、有り難うございます。

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