明石(3・4) 桐壷院夢枕へ → 入道の迎えで明石へ

p112 – 122
3.風雨静まる、父桐壷院源氏の夢に見える
 〈p100 ようやく風がおさまり、〉

 ①ようやく嵐が過ぎる。皆ホッと胸をなでおろす。海人たちも寄ってきてさへづりあへる。よくぞ鎮めてくださった、神さまのお蔭であります、、、。
  →今後物語の進展に大きく絡む住吉神社の登場。海の神。

 ②桐壷院が夢枕に立つ。名場面・重要場面です。
 などかくあやしき所にはものするぞ 
 住吉の神の導きたまふままに、はや舟出してこの浦を去りね
  →死後どんな風にしてたのか桐壷院の口から語られる。興味深い。
  →源氏は父の口から藤壷との密通のことが出て来なくてホッとしたことだろう。

 ③もうダメかと思った大災厄から逃れ父が夢枕にたって元気づけてくれた。これで落ち込んでた源氏の心は一転明るくなり、明日への希望を見つけた思いだったのではないか。
   
4.入道に迎えられ、明石の浦に移る
 〈p117 渚に小さな船を漕ぎ寄せて、〉

 ①良清=源少納言良清 物語で本名が出てくる数少ない人。
  G18年 若紫の巻の時点では父が現役の播磨守であった(今は代っているだろうけど)。明石に居たことがあるので明石の入道とは旧知。

 ②良清、明石の君をもらいたいと申し込んだが入道に拒絶され今はやや気まずい関係になっている。
  良清にしてみれば自分も受領の子、受領の娘の明石の君とは釣り合いと思ったのだろう。ごく自然であるが大それた大志をいだく入道に受け入れられる筈はない。

 ③源氏は入道の誘いを受けて行くか行くまいか迷うが自分が見た夢のことと合わせて自分を納得させ入道の舟に乗ることを決意する。
  →夢が大きな役割を果たしている

 ④須磨から明石まではわずか8KM、順風に乗って瞬く間に明石に到着する。
  →この場面は映画なら軽快な行進曲調の音楽をバックに源氏と入道が明日に向い明るい笑顔を交しあう感動的場面ではなかろうか。

 ⑤脚注にもあるが須磨を出るところで源氏の青春篇が終わり、明石から壮年編が始まる。NHK100分de名著のテキストにある放物線の底点でここから上昇に転ずる分かれ目であります。
   
 

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明石(3・4) 桐壷院夢枕へ → 入道の迎えで明石へ への2件のフィードバック

  1. 青玉 のコメント:

    夢枕に立つ父院のお言葉はさながら神仏のお告げのように聞こえます。
    桐壺帝のあの世からの愛情が感じられます。

    そこへタイミング良く明石の入道の迎えが来る。
    船上での二人の姿が思い描かれます。
    誠に背景、状況ともにこれ以上ない暗から明への物語の運びが絶妙ですね。

    • 清々爺 のコメント:

      ありがとうございます。

      須磨から明石へ、暗から明への展開の場面です。
        ①藤壷との不義密通に対する何とも重っ苦しい罪の意識
        ②兄朱雀帝の寵姫たる朧月夜との不倫への後ろめたさ
        ③謀反を企んでいるとの右大臣サイドからの無実の罪

      源氏はこれらを抱えて須磨で1年間悶々と過ごしていたのだと思います。そこへ嵐が来て絶対絶命のところ住吉の神社が助けてくれ、亡父が夢枕に立ち明日に向って強く生きろと励ましてくれた。

      これで①~③の罪の意識もきれいに吹っ切れた。心の整理がついてもうやるっきゃないって心境になったのではないでしょうか。人間挫折に陥っても這い上がるのが大事だということを訴えてるのだと思います。

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