蓬生(9・10・11) 源氏、やっと末摘花邸へ

さて待ちに待った源氏の君の登場です。
p41 – 48
9.源氏、末摘花の邸のそばを通りかかる
 〈p246 明くる年の四月の頃、源氏の君は、〉

 ①G29年4月(前段から5ケ月経っている)
  明石の姫君が生まれたのが3月だからその直後のこと

 ②夏、この季節になると花散里(夏の女)が登場する。末摘花邸は花散里邸への通り道(うまくできている)

 ③五月雨の間の夕月夜、藤・橘・柳と並べて、待ってました「例の、惟光はかかる御忍び歩きに後れねばさぶらひけり」

 ④惟光の情報ネットワークなら女君たちの動静は全てつかんでいたことだろう。

10.惟光、邸内を探り、ようやく案内を請う
 〈p248 惟光は、門の内へ入り、どこかに人声でもしないものかと、〉

 ①惟光が訪ねていく件、夕顔の宿の叙述のようで懐かしい感じ。

11.源氏、惟光に導かれて邸内に入る
 〈p250 源氏の君は、「どうしてこんなに長くかかったのかね。〉

 ①さて感動的名場面です。
  やっと源氏が末摘花邸に入っていく。「ええっと、どんな女性だったかな、そうだ赤鼻の無口の訳のわからんお人だったなぁ、変わってないのだろうな。まあいいか」

 ②源氏 たづねてもわれこそとはめ道もなく深き蓬のもとの心を 代表歌
  →脚注に「迷う心を振り切って、自らをかりたてようとする歌である」とある。そうだろうけどそれこそ源氏の優しさではなかろうか。私は物語中この歌が一番源氏の優しさ・面倒見の良さを表してると思います。大好きです。

 ③現存する国宝源氏物語絵巻(徳川美術館)に描かれてる名場面です。

  御さきの露を馬の鞭して払ひつつ入れたてまつる。雨そそきも、なほ秋の時雨めきてうちそそけば、「御かささぶらふ。げに木の下露は、雨にまさりて」と聞こゆ。御指貫の裾はいたうそぼちぬめり。 

 ④立ちまじり見る人なきぞ心やすかりける
  →こんな所に入って来る貴人はいない。見られたっていいじゃないの、恥ずかしいことじゃないでしょうに。

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蓬生(9・10・11) 源氏、やっと末摘花邸へ への2件のフィードバック

  1. 青玉 のコメント:

    やっと源氏様のお出まし!!
    待った甲斐があったと言う物、勝負は末摘花の待った勝ち?
    ここで「待てば海路の日和あり」は可笑しいでしょうか?

    冒頭、卯月ばかりに・・・~道中の情景美しく表現されていますね。
    この情景どこかであったような気がしたのはやはり夕顔でしたね。
    これほどまでではないにしろやはり夕顔の宿も侘しい佇まい、又その後の廃院の様子と重なります。

    蓬生の場面が絵巻にあるのですか?
    これは是非今秋の特別展が待たれる所です。

    さていよいよ再会の場面や如何に・・・

    • 清々爺 のコメント:

      ありがとうございます。

      1.やっと源氏の登場、「待てば海路の日和あり」、いいじゃないですか。(「光あり」でもいいかも)
        荒れたる屋敷に閉じ込められてる姫を助けるべく白馬の騎士が登場する、、、古今東西このパターンが読者・観客を喜ばせる。少女マンガもデイズニーもこのパターン多いですよね。

      2.情景描写もそうですが、惟光が探りにいって老女に先触れし按配よろしく先導していく。ここに惟光を出してくるのが何ともいいですね。読者は安堵感を覚えるのじゃないでしょうか。

      3.源氏物語絵巻「蓬生」 これでもかという荒れたる屋敷、颯爽たる惟光、いい場面だと思います。見れるといいですね。
        

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