藤袴(3) 夕霧、玉鬘につき源氏を問いつめる

p80 – 86
3.夕霧、玉鬘の件につき源氏に問いつめる
 〈p172 かえって、言わでものことを打ち明けてしまったと、〉

 ①夕霧、源氏に復命すべく春の町を訪れる。
  源氏は紫の上を見られることを警戒してすぐ出てくる。
  →源氏の神経質なところ。人の心理を見抜くに敏なるところ。

 ②内大臣の娘であることが分かり裳着を済ませ入内も決まった玉鬘をどうするべきか、源氏と夕霧が意見を述べ合う。夕霧(16才)、随分大人びた言い方で源氏に自分の意見を言う。

  ・玉鬘は誰に嫁がせるのがいいのか。
  ・蛍宮か髭黒大将か。
  ・参内すると秋好中宮・弘徽殿女御と争うことになるがそれでいいのか。

 ③問答の中で夕霧は源氏と玉鬘は何もなかったのか、源氏は玉鬘をどうしようとしているのが探ろうとする。
  「内々にも、やむごとなきこれかれ年ごろを経てものしたまへば、えその筋の人数にはものしたまはで、、、、、、、、(中略)、、、、、いと賢くかどあることなりとなんよろこび申されけると、たしかに人の語り申しはべりしなり。」

  →内大臣の源氏に対する疑惑を他人からの伝聞として述べ源氏を追及する。さすが秀才夕霧、矛先が鋭い。

 ④源氏 「いとまがまがしき筋にも思ひよりたまひけるかな。いたり深き御心ならひならむかし。いまおのづから、いづ方につけても、あらはなることありなむ。思ひ隈なしや」 

  →図星を指され源氏は笑いに紛らすが夕霧との話の結果、「こりゃ、ダメだ。玉鬘はあきらめよう」と心に決めたのではなかろうか。
  →そうと決まったら玉鬘とは何もなかったことを証明せねばと思い立つ。現金なものです。
  

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藤袴(3) 夕霧、玉鬘につき源氏を問いつめる への4件のフィードバック

  1. 青玉 のコメント:

    父子揃って玉蔓の今後を話し合う・・・不思議な光景です。
    冷泉帝は源氏の実質長男、中宮は源氏の養女、女御は内大臣の娘、おまけに源氏夕霧、父子共に玉蔓に懸想している。
    そこへ玉蔓の出仕となればその人間模様は複雑極まりない、何か起きないわけがない・・・
    他にも蛍宮、髭黒大将、玉蔓でなくても悩むところです。

    お互い内大臣をやり玉に挙げた心理作戦。
    これは息子夕霧に多少分があるということでしょうか?
    夕霧もなかなかやるものですね~

    • 清々爺 のコメント:

      ありがとうございます。

      1.父と息子がこんな話(女性関係)をするなんて考えられませんよね。お互い避けて通りたいところでしょうから。時代は違うものの不思議だなあと思います。

      そしておっしゃるように冷泉帝後宮は源氏と内大臣の関係の人たちが入り乱れています。常に頭を整理しながら読んでいかないと訳が解らなくなってしまいます。よく整理されていて感心します。

      2.本稿で書き忘れましたが源氏の言葉に「女は三つに従ふものにこそあなれ」と「三従の徳」が引用されています。この考えは封建社会のものと思ってましたが「貴族社会の常識であったであろう」(付録p288)とありちょっと違和感を感じます。特に多妻妾社会にあって妻たちは夫に忠義を尽くせたのでしょうか。源氏物語の女性たち(紫の上を始め)の抱える悩みはここにあるのではないかと思っています。

  2. 青玉 のコメント:

    昔からよく言われている、幼にして父母に従い、嫁しては夫に従い、老いては子に従う。
    婦人の「三従」をいう古い教えはここからきているのでしょうか?

    だとすれば随分古いもので貴族社会の常識であったとは驚きですね。
    一夫一妻なら忠義もあるでしょうがこの世界での三従、考えられません。
    もっと男も女も自由だとばかり思っていました・・・

    • 清々爺 のコメント:

      私も平安貴族社会は男女関係におおらかだったと思っていました(よく言えばオープン、悪く言えばルーズ)。「嫁しては夫に従い」が常識だったとはちょっと思えません。

      だって源氏は他人の妻を平気で襲うし(空蝉)、朧月夜を巡る朱雀院と源氏の三角関係は三人共が認め合うような奇妙な関係ですし、、、。更に源氏物語第二部は三角関係の物語とも言われるほど男女関係は柔軟でとても三従の徳に従った物語とは思えません。

      むしろ源氏物語は儒教の教えに背く淫乱の書だとして戦前の日本では糾弾された訳ですからね。源氏物語が平安時代の常識から離れた物語だとも思いませんし、、、。よく分かりません。

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