藤裏葉(4・5・6) 夕霧・雲居雁 結ばれる

p236 – 250
4.宴深更に、夕霧、酔いをよそおい宿を依頼
 〈p297 宰相は、御自分のお部屋で、〉

 ①夕霧、内大臣邸に参上する。 心やましきほどに
  →ちょっと気をもたせて遅れ気味に。
 
 ②内大臣邸=元の右大臣邸(二条) 正妻四の君の里邸に住んでいる。
  →夕霧は初めて訪れたのではなかろうか。妻や女房たちに「これがあの夕霧だよ」って注意を引いている。

 ③4月は藤の季節。藤の花の下で遊宴が始まる。
  →梅の次は桜、桜の次は藤、それぞれに事つけて宴を催す。優雅なものです。藤の宴では朧月夜を思い出す(花宴)。

 ④内大臣、夕霧に酒を勧めて「年寄りをいじめてくれるなよ」と訴える。
  春日さす藤の裏葉のうらとけて君し思はば我も頼まむ(後撰集) 代表歌
  →「雲居雁をよろしく頼むよ」の意であろう
  藤の裏葉=藤の若葉、この歌を基に内大臣・夕霧・柏木が歌を唱和する。

 ⑤いつものボーカリスト弁少将が催馬楽葦垣を唄う。内大臣も加わり即興の替え歌を唄う。
  →もう座は乱れ大盛上がり。一挙に打ち解ける。
  →7年来の意地の張り合いを解消するには芝居がかった演出が必要だったのだろう。

5.柏木に導かれ、夕霧、雲居雁と結ばれる
 〈p303 柏木の中将は、「花の蔭の一夜の旅寝ですね、〉

 ①そして柏木が夕霧を雲居雁の寝所に案内する。
  →二人の会話が面白い。でも何といっても友だち。夕霧には柏木がいてありがたかったことだろう。

 ②少女の巻で最後に逢って以来6年振りの再会。感激や如何ならん。
  →やっと許されて二人が契り合うここは名場面であろう(情交描写は一切ないが)。

 ③催馬楽に因んだ歌の応酬が難しい。
  弁少将の葦垣:「夕霧は雲居雁を連れ出そうとしたが内大臣に見つかり失敗したよ」
  夕霧の言う河口:「雲居雁、あなたこそ外に出て遭いに来るんじゃないですか」
   という感じだろうか。

 ④雲居雁 あさき名をいひ流しける河口はいかがもらしし関のあらがき 代表歌  →「河口の関」三重県津市白山町川口 こんな所に我が故郷津市が出てくるとはびっくりです。勿論代表歌にしました。

 ⑤後朝の文を見ての内大臣と雲居雁
  →夕霧が雲居雁の所に来てくれた。内大臣も嬉しかったことだろう。自ずと笑みがもれる。  

6.源氏、夕霧に訓戒 内大臣 婿君をもてなす
 〈p307 六条の院の源氏の君も、〉

 ①源氏も藤の宴に招待されて行った夕霧のことが心配でならなかっただろう。
  →無事雲居雁と結ばれて帰ってきた息子を見て源氏も嬉しかっただろう。
  →いつもの調子であれこれ訓戒を垂れる。性分は変わりませんね。

 ②以後せっせと内大臣邸(雲居雁の所)に通う夕霧
  六条院の召人は恨めしと思う。→必ずいる。それを紫式部はさりげなく言う。
  内大臣は夕霧の素晴らしさに改めてよかったと思う。

 ③内大臣の北の方(四の君)は雲居雁の幸せを面白からず思う。
  雲居雁の実母按察の北の方は夕霧との結婚を嬉しく思う。
  →継母・実母それぞれの想いである。 

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藤裏葉(4・5・6) 夕霧・雲居雁 結ばれる への4件のフィードバック

  1. 青玉 のコメント:

    月はさし出でぬれど、花の色さだかにも見えぬほどなるを、もてあそぶに心よせて、大御酒まゐり、御遊びなどしたまふ。
    やはり何かにつけて「月」はなくてはならない存在ですね。
    また、七日の夕月夜、影ほのかなるに池の鏡のどかに澄みわたれり
    仲秋のお月見を思い出しました。
    内大臣邸の風趣ある花の宴のもと、やっとお互いの恨みが氷解する場面でしょうか。
    「藤裏葉」の裏葉は若葉の事なのですね。納得です。

    ようやく6年ぶりにめでたく雲居雁との対面、随分長かったですね。
    お若いのにお互いよく御辛抱なされました。

    ここで「河口」が出てくるとは思いもよらなかったですね。
    名松線、関の宮の辺りですね。
    万葉集巻六ー1029 大伴家持
    河口の野辺に廬りて夜の経れば妹がたもとし思ほゆるかも
    共に覚えておきたいですね。

    晴れて結ばれた夕霧と雲居雁、読者もホットし、うれしさひとしおです。

    • 青玉 のコメント:

      つぶやき・・・
      誤字脱字の多い私、
      気付かれた箇所は訂正お願いしますね。
      これは性格のなせる仕業でとにかく無頓着、雑なゆえです。
      学生時代から何十年来変わらない、そのための失敗は数えきれないのです・・・

      • 清々爺 のコメント:

        了解です。気付きましたら訂正させてもらいます。別に正式なペイパーでもないしどうぞ気にしないでドンドン書いてください。私の投稿も誤字脱字いっぱいあるはずです。

    • 清々爺 のコメント:

      ありがとうございます。

      1.そうか、この夜七日の月が出ているのですね。満月でなく半月で藤の花を幽かに照らしているのですか。気がつきませんでした。4月で澄んだ空でもない、まあボンヤリって感じでしょうか。そんな中で楽宴が開かれ酒を飲み緊張がほぐれ気分は高揚しついにお互いの心の壁が壊れる、、、ということですか。

      2.大伴家持の歌、ありがとうございます。「万葉の旅」(犬養孝)読み返してみました。そうか名松線、まだ走っているのですか。そして「関の宮」って駅があるのですね。万葉時代から「河口」は御当地ソングの名所だったってわけですね。覚えておきます。

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