柏木(11) 夕霧、柏木の父(頭中)を訪ねる

p286 – 290
11.夕霧、致仕の大臣を訪ね、故人を哀悼する
 〈p63 前の大臣のところに、帰りにそのまま立ち寄られますと、〉

 ①一条宮へ見舞いの帰り夕霧は柏木の実家(二条頭中邸=昔の右大臣二条邸)を訪れる。
  →致仕の大臣(頭中)にとって夕霧は甥(妹葵の上の息子)&娘雲居雁の夫&息子柏木の親友
  →夕霧の顔を見て涙が止まらなかったのも無理なかろう。

 ②頭中は妹葵の上が亡くなった時のことを回想する(当時5~6才か)
  →追悼場面としては母大宮の一周忌で夕霧との仲直りのきっかけをつかむシーンを思い出す(藤裏葉2)。
  →この人、追悼ばかりしている印象があるが今回は逆縁。何ともお気の毒である。
  
 ③頭中 木の下のしづくにぬれてさかさまにかすみの衣着たる春かな
  夕霧 亡き人も思はざりけむうちすてて夕のかすみ君着たれとは
  →将来を嘱望されていた藤原摂関家の若き跡継ぎの死亡 
  →父頭中が事の経緯を知らないのが哀れである。でも知っていたらその方が地獄だったかも。

(本日は短かいですがこれで終わりです)

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柏木(11) 夕霧、柏木の父(頭中)を訪ねる への2件のフィードバック

  1. 青玉 のコメント:

    甥であり娘婿そしてわが長男の親友とあらば思わず心は緩み涙はどうと流れ落ちたことでしょう。
    あの源氏と並ぶ美男の象徴、頭中の憔悴ぶりは痛ましい限りです。

    妹、葵の上が亡くなった時もこれ以上の悲しみはないと思ったが更に御息所のお歌を目にする頭中の愁嘆に読者の悲しみもいや増します。

    逆縁が最たる親不幸を肝に銘じたいと思います。

    • 清々爺 のコメント:

      ありがとうございます。

      逆縁が最たる親不幸、本当にそうだと思います。逆に「健康で元気で暮らしていること」こそ最大の親孝行ではないでしょうか。

      源氏物語で逆縁で悲しみにくれるのはこの場面と葵の上の場面ですね。

        葵の上 = 父左大臣・母大宮
        柏木 = 父頭中・母四の君

      左大臣家に重なっている。お気の毒です。

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