後見(うしろみ) - 経済的・政治的バックアップ 

光源氏の金持ちぶりには驚き呆れ訝るばかりですが、まあそれはいいとして貴族の雅で華やかな暮らしにはとてつもないお金が必要であったことは間違いありません。逆に言えば経済的に苦しいと貴族の体裁を保ちえないということだったのでしょう。

更にびっくりするのは、女性が後宮に入り天皇の妻となるにも、また女性が自邸に婿を迎えるにも経済的にそれを支えるのは父親の役目、即ち父親に甲斐性がなければ女性は上級の貴族と縁を結ぶことができなかった。娘を持った父親は大変だった→金を使い娘を利用して外戚として摂政関白の地位にも上ることができた。。。という構図だったのです。

物語中、後見がないので飛躍できない不安であるとされるのは冒頭の桐壷更衣(老いた母が残っただけ)、若菜上の女三の宮(母が亡くなり母方に有力者もいない)、それと宇治の姫たち(父は没落貴族)が典型でしょうか。

逆に経済的に余裕があるのが六条御息所。源氏とはうまくいかず誰が後見していたのか不明ながら六条院サロンを維持し若き貴公子たちの憧れの的であったように描かれています。

それと金持ちの極めつけは明石一族(明石入道)。この財政パワーはすごい。お金で明石の豪邸を作ったのは勿論、住吉神社に貢ぎ尽くし、明石の君に都レベルの教養を身に着けさせ、晴れて源氏に娶らせ、孫(明石の姫君)は中宮になり皇子を生む。お金と才覚、、、アッパレ入道!と叫びたくなります。
 
 → 幸せ者の頂点が「明石の尼君」と言うので、双六ゲームでいい目が出るよう近江の君が「明石の尼君!」「明石の尼君!」と唱えながらサイコロを振る場面が傑作です(若菜下⑩p48)

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後見(うしろみ) - 経済的・政治的バックアップ  への4件のフィードバック

  1. 青玉 のコメント:

    一体そのお金の出所はどこだったのかと勘ぐってしまいます。
    いえいえ、そんなさもしいことは考えず物語として楽しみましょう。

    筆頭に挙げられる明石の君、源氏との逢瀬に始まり入道父上の財力が全てですね。
    ひ孫に至るまで子々孫々にわたっていますもの。
    おっしゃるとおり、アッパレ入道ですね。

    ところで昔の名古屋の嫁入りもすごかったようですよ。
    娘三人持つと「しんしょうがつぶれる」と言われたそうです。
    父親に財力がないと良いところへ嫁げなかったと言うことでしょうか?
    これも尾張徳川家の影響でしょうかね・・・

    • 清々爺 のコメント:

      受領が庶民から搾り取り貴族に貢ぐ。これが権力維持の構造だったのでしょうね。でもそんなこと考えてると源氏は読めません。おっしゃるように楽しみましょう。

      名古屋の嫁入り道具、よく聞きます。まあ今ではそれほどでもないんでしょうが。親族のこともあり見栄を張りたがる父親世代と実質的でいいという子供世代がぶつかったりしてるんでしょうか。

  2. 式部 のコメント:

    明石入道、はっきりした性格、わかりやすくていいですね。
     孫である明石女御に若宮誕生! それを知ると、「願いはすべてかなった、今はこれまで」と完全なる隠遁を決心して、自身はすべてを捨て山の奥に入ってしまったところ、心打たれます。才覚、引き際、ともにすごい男だと私は思います。

    • 清々爺 のコメント:

      式部さんの明石入道への想い入れは並大抵じゃないですね。確か登場人物の中で一番好きなのは明石入道だとおっしゃってたましたもんね。

      須磨に嵐をついて明石入道が源氏を迎えにくる場面、漫画チックですが抜群に面白い。物語はここから急展開で俄然面白くなるのに「須磨返り」してしまう人勿体ないなあと思います。

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