東屋(15・16・17) 浮舟、中の君のもとへ(二条院へ)

p50-58
15.中将の君、浮舟を連れて中の君の邸に赴く
 〈p218 この姫君の御身内に、〉

 ①この御方ざまに、数まへたまふ人のなきを、侮るなめりと思へば、ことにゆるいたまはざりしあたりを、あながちに参らす。
  →中将の君は介に侮られて逆に上昇志向が固まったのであろう。

 ②中将の君「我も、故北の方には離れたてまつるべき人かは、仕うまつると言ひしばかりに数まへられたてまつらず、口惜しくてかく人には侮らるる」
  →八の宮に見棄てられた悔しい気持ちが甦る。
  →同時に浮舟こそは、、との思いであったのだろう。

16.中将の君、匂宮夫妻の姿を見て心乱れる
 〈p219 ある日、匂宮が二条の院へおいでになりました。〉

 ①匂宮を見ての中将の君の述懐
  「、、この御ありさま容貌を見れば、七夕ばかりにても、かやうに見たてまつり通はむは、いといみじかるべきわざかな」
  →この言い方随所に出てくる。匂宮の素晴らしさ。例え一年に一回でも逢ってもらえればそれで満足、、、実感であろう。(実際にはそれでシアワセな筈はないが)

 ②匂宮は若君をあやし中の君と親しく語らい二人きりの時を過ごしている。
  →中将の君は改めて貴人の凄さ、中の君の幸運を羨ましく思ったことであろう。
  →わが浮舟もそれに並び立つ筈、、、上昇志向への思いを新たにした瞬間である。

17.中将の君、匂宮の比ならぬ少将を侮蔑する
 〈p221 匂宮は日が高くなってからお起きになられて、〉

 ①宮、日たけて起きたまひて、、、
  →さぞ中の君と睦まじい夜を過ごしたのであろう。
  →その後匂宮の表の世界(六条院の六の君とのこと)はどうなってるのだろう。

 ②二条院で匂宮に仕える少将の様子を女房たちの口を借りて伝える。
  「かれぞこの常陸守の婿の少将な。はじめはこの御方にと定めけると、守のむすめを得てこそいたはられめなど言ひて、かじけたる女の童を得たるなり」
  →いつもながらうまいものである。

 ③中将の君 少将をめやすきほどと思ひける心も口惜しく、げにことなることなかるべかりけりと思ひて、いととしく侮らはしく思ひなりぬ。
  →浮舟とは破談になったが実の娘の婿になったことには変わりはない。中将の君の浮舟への偏愛ぶりもいささか不自然ではある。

 ④匂宮「今は一夜を隔つるもおぼつかなきこそ、苦しけれ」
  →可愛いわが子(第一子)気持ちは分かる。ということは六の君とはしばしご無沙汰ということだろうか。

カテゴリー: 東屋 パーマリンク

東屋(15・16・17) 浮舟、中の君のもとへ(二条院へ) への2件のフィードバック

  1. 青玉 のコメント:

    中将の君、介に競争心を煽られたようですね。
    中の君の元に身を寄せたのも何とかして我が娘、浮舟の転機になればとの思いでしょうか?
    これは少し深読みし過ぎるかな?介との単なる確執の弾みからでしょうか?

    それにしても匂宮、中の君を羨む中将の君も表面しかみえていないようですね。
    我が娘もあやかりたい、無理もありません。
    表面的には何の悩みもない幸せそのものの一場面ですものね。
    中将の君にとっては雲の上の別世界を垣間見た思いだったのでしょうか?

    女房たちが少将を愚弄する噂話を漏れ聞く中将の君の心の動きが手に取るようにわかる場面です。
    それにしても同じ腹を痛めた娘に対する中将の君の想いの差はちょっと解せないです。

    ここで匂宮、中の君夫妻が若君を挟んで幸せそうな様子に少し安堵しておりますが・・・ 

    • 清々爺 のコメント:

      ありがとうございます。

      中将の君が仕えた八の宮は零落した皇子。煌びやかな二条院で初めて見る匂宮の華々しさに中将の君は圧倒されたことでしょう。同じ皇子といっても八の宮とは何もかも違う、その匂宮の夫人に中の君が納まり若君も生まれている。こんな世界もあるんだ、、。中の君を羨ましく思うと同時に少将ふぜいを婿にと考えていたことが馬鹿らしくなったのでしょう。浮舟も是非こんな世界で幸せになって欲しいと強烈に思ったことでしょう。

      でも同じ腹を痛めた娘は少将と結婚、こちらも割り切ってそれなりの幸せを考えるべきかと思うのですが人の気持ちはまあそうは行きませんね。介に裏切られた気持ちもあってこちらの方は「あなた勝手にやってよ」って気持ちだったのでしょうか。

コメントを残す