人物談義(10) 花散里・秋好中宮

少しマイナーな女君です。
【花散里】
 ①花散里=評価:良 好き嫌い度:好き
  →丸っこくておっとりしていて包容力ある感じ。夏みかんのイメージ、好きです。

  花散里 歌6首 代表
   その駒もすさめぬ草と名にたてる汀のあやめ今日やひきつる(蛍)

 ②橘の香をなつかしみほととぎす花散る里をたづねてぞとふ(源氏@花散里)
  初夏五月、花橘が香り五月雨、ほととぎす、ほたる、、。
  「夏は来ぬ」の世界です。「花散里」という名前が実にいい。

 ③源氏との色恋は語られないが何と六条院の夏の町をいただき、夕霧・玉鬘の母親代りに役割をおおせつかる。これはすごい!
  →源氏も紫の上も花散里には心を許したのであろう。家事をよくする家庭的な人。

 ④「源氏とは閨を共にすることがない」ということが何度も強調される。
   今はあながちに近やかなる御ありさまももてなしきこえたまはざりけり(初音)
   いかで東の御方、さるものの数にて立ち並びたまへらむ(野分)
  →そんなに器量が悪かったのだろうか、、、紫の上や玉鬘に比べるとそうであろうが。 

【秋好中宮】
 ①秋好中宮=評価:良 好き嫌い度:好き
  →この人人生苦労したろうな、、と思います。でも中宮になって素直に生きているところが好ましいです。

  秋好中宮 歌7首 代表
   こてふにもさそはれなまし心ありて八重山吹をへだてざりせば(胡蝶)
  →紫の上との春秋争いは面白かった。「秋好中宮」なんて最初変な名前だと思ったけど馴れてみるとけっこういい感じ。

 ②何と言っても出自がすごい。六条御息所の娘、即ち先東宮の遺児。6年間も伊勢に斎宮に行き朱雀帝のために神に仕える。
  →朱雀帝がご執心だったのも無理はない。6年間の伊勢時代、何を思って生きていたのだろう。

 ③帰京後母が死に藤壷と源氏の計らいで冷泉帝妃に。後中宮にまでなる。
  →母が果たせなかった道を見事に歩いた。このストーリーもすごい。

 ④六条院秋の町、御息所思い出の場所、を里とする。
  →紫の上との春秋争い、秋好中宮は紫の上に勝ちを譲ったように思うのだが、、。

 ⑤冷泉帝と仲睦ましく、薫を養母として可愛がる。この辺も好ましい。
  →冷泉帝との間に子どもができなかったのが何とも、、、。

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人物談義(10) 花散里・秋好中宮 への4件のフィードバック

  1. 青玉 のコメント:

    花散里(良 普通)
    お裁縫上手、子育て上手で家庭的なイメージです。
    きっと大きな包容力があり癒される人物なのでしょうね。
    何かあったら駆け込みたくなるような母親的な役割を担っていたのでしょうか?
    物語上、やはりこう言った人物は欠かせなくホッと息つかせるような所が好もしいですね。

    秋好中宮(良 普通)
    若い身空で6年もの長い斎宮、母、六条御息所もついて行ったとはいえ苦労は多かったでしょうね。
    後年冷泉帝の中宮になり報われるのにほっとします。
    母、六条御息所の魂も鎮められ娘の幸せを喜んでいるのではないでしょうか。
    性格も母とは大きく異なり穏やかで控えめですね。

    秋好中宮、確かに面白い名前ですね。元は梅壺の女御ですよね。
    ならば春の方が似合いそうにも思いますが春秋争いは車争いと大いに違って風流そのものです。

    とにかくこの二人の女性は好きに近い普通、むしろ好きの方かな?

  2. 式部 のコメント:

     花散里
     源氏が自分に何を求めているか知っていた人ですね。
     二人はおそらく楽しい間柄であり、世間普通の夫婦の関係ではないけれど、これも又男と女の一つの在り方かなと思います。
     蛍巻で馬場の競射のあと源氏が花散里のもとに泊まる場面の二人、良かったです。
     花散里の蛍兵部卿の宮や帥親王への批評など、率直で悪意はなく、洞察力はありながら爽やかに本音を語っていますよね。
     源氏は花散里のこういう賢さも気にいっていたのだと思います。
     私にとってもやはり好きなタイプの女性です。

     秋好中宮
     生まれも良いし斎宮を6年も勤めたことなどから清らかな高貴な女人のイメージがありますね。母六条御息所もしっかり教育しただろうし、絵も上手と書かれていますから優れた人だったのでしょう。
     冷泉帝の中宮になれてほんとうによかったです。
     源氏への公の貢献度大ですね。
     この人も好きですね。

  3. 青黄の宮 のコメント:

    小生は花散里(良 好き)、秋好中宮(良 普通)です。花散里は温かくて、ホッとしますね。幼い時に母親に死に別れた源氏は彼女に母親のぬくもりを感じていたのではないでしょうか。秋好中宮はどんな女性かいまいちイメージがはっきりしません。でもまあ、六条御息所に対する罪滅ぼしとして、源氏が彼女の面倒を見るのは当然でしょうね。

  4. 清々爺 のコメント:

    青玉さん、式部さん、青黄の宮さん ありがとうございます。

    1.「花散里」はごく短い巻でストーリーもないし源氏が花散里を訪ねたと言っても歌の贈答もない。何だろうこの巻は、、と思ったものです。その後花散里はおっしゃる通り源氏或いは夕霧・玉鬘にとって母親的な役割を担っていく。紫の上もある意味頼りにしていたのでしょう。死期に当たり花散里に心許した歌を贈っています。

      絶えぬべきみのりながらぞ頼まるる世々にと結ぶ中の契りを(御法)

     それにしても花散里は徹底して源氏と共寝しない女性として描かれています。式部さんご指摘の蛍の巻の一夜でもそれが強調されています。源氏と契った女性13人中、物語で契ったシーンが描かれてないのは花散里だけだと思います。

    2.秋好中宮。源氏が冷泉帝に入内したばかりの秋好中宮(斎宮の女御)に恋情を訴えるシーンがありました(薄雲19)。あれには驚きました。もし女御が源氏に靡いていたら恐ろしいことになっていたでしょう。

     何せ
      ・女御は時の天皇(自分の息子)の妃
      ・兄朱雀院の想い人でもある
      ・六条御息所の今際での必死の遺言に背くことになる
     ですから(この項薄雲19より再録)。

     秋好中宮は賢く冷静、悩み多かったであろう冷泉帝のよき理解者であったのじゃないでしょうか。

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