源氏物語の和歌

源氏物語には和歌が795首含まれています。この時代和歌が想いを伝える重要な手段であり、男女の想いを描いた源氏物語に和歌が沢山出てくるのは当然でしょう。

一番多い巻が「須磨」で48首、「明石」の30首と合わせると「須磨」「明石」の両巻で78首、約10%になります。都を離れていた源氏と残された人々の交流手段は和歌しかなかったということです。

この重要な和歌、我ら素人には誠に厄介です。地の部分はなんとか読み解いていけても和歌になると世界が飛んでしまうのでスンナリとは分からない。寂聴訳も円地訳もサラっとしか説明してないしテキストの語釈も所詮は語釈。さりとて自分で調べまくるのも能力的にも時間的にもできない。さりとてなおざりに読み飛ばすのはまずい、、、結局「できるだけ理解に努める」ということでいいと割り切っています。

「読み進め方について」に書きましたが、巻名の由来となった和歌を中心に各巻2首づつ覚えて行くことをお勧めします。毎日復誦する度に「桐壷」から「夢浮橋」まで源氏物語の流れが頭の中に蘇る。いい気分になりますよ。

そして厄介というか不可能なのは無数に登場する引き歌。プロの研究者でも未詳の歌が多数あるようなので、まあ引き歌は余り気にしない、語釈だけで行くということでいいでしょう。でも「夕顔」の巻で源氏が随身に古今集を引いて花の名前を尋ねる「をちかた人にもの申す」のくだりなどはいいなあと思います。(テキスト①P192)

源氏物語の和歌は勿論登場人物が詠み合う歌なので全て紫式部が登場人物になり代わり作ったことになる。幼い時の紫の上の歌も不器用な末摘花の歌も無教養な近江君の歌も全てです。これはすごい、藤原俊成はこのことを「源氏見ざる歌詠みは遺恨事也」と言っています。

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源氏物語の和歌 への5件のフィードバック

  1. 式部 のコメント:

    紫式部は歌人としてはあまり認められてはいなかったようですが、源氏物語の場面場面に合わせ、その登場人物になりきって和歌を詠んでいるのは、すごいことだと思います。
     わざと下手に作っていたり、笑が起きそうな具合に詠んでいたり、そういうところ楽しめます。  私自身は覚えても覚えてもすぐ忘れるのですが、二首ずつ暗記に再度挑戦しましょう。はじめから諦めては何事も成就できませんからね。

    • 清々爺 のコメント:

      是非再挑戦してください。前回選んだ109首はそれとして、他にもこれはいいと言う歌あるでしょうから、進行の都度ドンドン指摘してください。

      読後に我倶楽部各人が選んだ「最も気に入った和歌」再録しておくと:
      2人が選んだのが、
      心あてにそれかとぞ見る白露の光そへたる夕顔の花
        (「夕顔」 夕顔→源氏 夕顔の宿) 

      後は1人づつで、
      かぎりとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり
        (「桐壷」 桐壷更衣 物語最初の歌)

      見てもまたあふよまれなる夢の中にやがてまぎるるわが身ともがな
        (「若紫」 源氏→藤壷 禁断の契り)

      手に摘みていつしかも見む紫のねにかよひける野辺の若草
        (「若紫」 源氏 幼い紫の上、紫のゆかり)

      橘の小島の色はかはらじをこの浮舟ぞゆくへ知られぬ
        (「浮舟」 浮舟→匂宮 物語最後のハイライト)

      浮舟を除き初めの方の巻からが多い。やはり最初は張り切ってたから印象が強いのだろうか。また見直しましょうよ。。 

  2. 青玉 のコメント:

    795首もあるのですか?すごい数ですね。

    全て紫式部が登場人物になりきって詠んだわけですね。
    しかもそれぞれ男女の立場になり代わって詠んだとは大した役者です。
    このようなことを踏まえて和歌を意識的に詠んでいけば少しは覚え易いかもね。

    一首も歌を覚えていませんがこれからどんな歌に巡り合えるのか楽しみです。
    更に自分好みの歌を見つけるのも面白いです。
    和歌を通じて全体の流れをつかむ、ということですね。

    「引き歌」という言葉初めて知りました。
    なるほど古歌を引き合いに詠むのですね。勉強になりました。
    ということは紫式部はほとんどの古典に通じていたのですか?
    まさに平安時代の女性としては最高の教養人だったのですね。

    平家物語にもちょくちょく引き歌が出てきます。
    今日の加賀美さんの平家、テキストを見ずにカーラジオで聴きました。
    テキストを引きながら聴くよりずっと心地良くす~っと入ってきました。
    喜界が島へ流された流人、俊寛僧都と有王の場面だったので解り易かったかもしれませんが・・・

    • 清々爺 のコメント:

      1.紫式部の博覧強記には感嘆ただ感嘆です。記紀・万葉集・古今集など日本のものは勿論、漢籍にも広く通じていた筈です。物語の至る所で引用されてます。枕草子の清少納言もそうだけど、よく言えばさりげなく引用してる、悪く言えば知識をひけらかしている。女房間の知識競争みたいなところあったのでしょうね。

      2.足摺~有王のところは読ませますよね。加賀美さんの朗読後で聞いてみます。このくだり本当に「講釈師見てきたように嘘をつき」みたいなところで、芝居に取り上げられるのも納得ですね。

  3. 清々爺 のコメント:

    忙しいところコメントありがとうございます。
    平家は順調に進んでおられるようだし、源氏への興味も高まっているようでいいですね。

    ちょっとこれから2泊3日で出かけてきます。本コメントへのお返しは帰ってきましてから別途やります。すみません。。

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